【カフェインと運動パフォーマンス】|桑園 ジム
2023/05/17
【カフェインと運動パフォーマンス】|桑園 ジム
札幌パーソナルジムB Conditioning(ビーコンディショニング)の谷口です。
パーソナルトレーナーをしたり、パーソナルジムを経営したり、専門学校の講師として活動しています。
今回は、カフェインと運動パフォーマンスについてご紹介します。
- カフェインとパフォーマンスのポイント
- カフェインと持久パフォーマンス
- カフェインと筋力・パワー
- カフェインと認知能力
- カフェインの副作用
- カフェインの種類
- まとめ
1.カフェインとパフォーマンスのポイント
カフェイン摂取に関する国際スポーツ栄養学会 (ISSN) の見解は次のとおりです。
1.カフェインの補給は、多くの研究で運動パフォーマンス筋肉の持久力、運動速度と筋力、短距離走、ジャンプ、投球のパフォーマンス、有酸素性および無酸素性のスポーツ特有の動作を向上させることが示されている
2.カフェインの補給は、有酸素持久力に効果的ではあるが、個人差がある。
3.カフェインは、体重 kg あたり 3 ～ 6 mg の用量で摂取すると、運動パフォーマンスを向上させることが一貫して示されています。高用量のカフェイン (例: 9 mg/kg) は副作用の発生率が高く、エルゴジェニック効果を引き出すには必要ないとされている。
4.カフェイン補給の最も一般的に使用されるタイミングは、運動の60分前。しかし、形状によって違いがありカフェインカプセルと比較して、カフェインチューインガムは、摂取から効果が出るまでの時間が短いとされている。
5.カフェインは、トレーニングを受けた人でもトレーニングを受けていない人でも身体パフォーマンスを向上させる。
6.スポーツや運動のパフォーマンスの個人差、ならびにカフェイン摂取後の睡眠への悪影響や不安感は、カフェイン代謝および身体的および心理的反応に関連する遺伝的変異に起因している可能性があります。習慣的なカフェイン摂取などの他の要因も、個人間の反応のばらつきに影響を与える可能性があります。
7.カフェインは、ほとんどの人の注意力や警戒心を含む認知機能にエルゴジェニックであることが示されています。
8.カフェイン入りチューインガム、洗口剤、エネルギージェル、チューインガムなどの代替カフェイン源は、主に有酸素運動のパフォーマンスを向上させることが示されています。
9.カフェインを含むエナジードリンクやトレーニング前のサプリメントは、無酸素運動と有酸素運動の両方のパフォーマンスを向上させることが実証されています。
国際スポーツ栄養学会の立場: カフェインと運動パフォーマンス
2.カフェインと持久パフォーマンス
数十個の研究でカフェインはサイクリング、クロスカントリー、ランニング、水泳などの持久的スポーツにおいて体重kgあたり3～6mgの容量を用いた数十個の研究で、2-4%持久的パフォーマンスの改善が示されています。
3.カフェインと筋力・パワー
○カフェインと筋力
3つのメタ分析でカフェインの急性効果が調査され、2～7％のパフォーマンスの改善が報告された。
○カフェインとパワー
・カフェインの補給により、単一ジャンプおよび反復ジャンプ中の垂直ジャンプの高さが2～4%増加することを示してた。
・カフェイン摂取により、大学対抗陸上競技選手 9 名からなるグループの砲丸投げの最大飛距離が向上した 。
・ 運動の60分前に体重1kg当たり6 mgのカフェインを摂取すると、メディシンボールの最大投球距離が増加した
などの調査の結果が発表されている。
4.カフェインと認知能力
2016年のレビュー では、32〜300 mg（体重75 kgの個人の場合）のカフェインが、注意力、警戒心、反応時間などの認知能力の特定の側面を強化すると結論付けている。
5.カフェインの副作用
文献で最も一般的に報告されている副作用には、頻脈や動悸、不安 、イライラ、頭痛、さらには不眠症や睡眠の質の低下 などがあります。
・ある研究では、スーパーラグビーの夕方の試合前にカフェインを摂取すると、入眠時間が遅れ、試合の夜の睡眠時間が減少するという結果が得られた
これらの事から、スキル要素に依存するスポーツ（射撃）などは神経過敏・興奮などの恩恵を受けいないと考えられています。
6.カフェインの種類
・カフェインカプセル
→サプリメントとして活用。運動の60分前が推奨されている
・カフェイン入りチューインガム
→カフェイン入りチューインガムとカプセル状のカフェインからの吸収速度と相対的なカフェインの生物学的利用能を比較しました。結果は、ガム製剤からの薬物吸収速度が大幅に速かったことを示唆しています。
カフェイン吸収と運動パフォーマンスに対するカフェイン入りチューインガムの影響を調べる研究
・カフェイン入りジェル
→カフェイン入りジェルを10分前に摂取後2000メートルの漕ぎパフォーマンスが大幅に改善されたことを発見しました。別の最近の研究では、カフェインジェルを利用し、17人のレジスタンストレーニングを受けた男性のサンプルにおいて、運動前の10分に300mgのカフェインを摂取すると、垂直跳びのパフォーマンス、筋力、パワーが向上したことがわかりました
カフェイン入りバーおよびジェルが運動パフォーマンスに及ぼす影響を調査した研究
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7.まとめ
・カフェインの補給は持久力・筋力・パワー・スポーツパフォーマンス・認知能力といった能力を向上させると示されている
・カフェインは、体重 kg あたり 3 ～ 6 mg の用量で摂取が目安とされている
・カプセルだと運動の60分前、ジェルは運動の10分前の補給が効果的とされている
・スキルが重要な射撃のような競技、夜にスタートする競技の場合は副作用があるので注意が必要
カフェインと運動の研究は多くされています。ただ、興奮やイライラ、覚醒といった作用もあるため競技や時間帯によって注意が必要かもしれません。
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